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食を科学したい2/2: How To Cook

前回の記事で食についての科学を掘り下げ、食科学する上で、What To CookとHow To Cookに分解して、What To Cookについて論じた。


どのように料理をすべきかについては、調理法ごとにどのような意味があるかを論じている本が多く存在する。



例えば熱を加えることで、タンパク質が変形することの意味や、発酵させることで糖が分解されるなど、調理法によって意味があることが論じられている。

今回この記事では、そこでは論じられていないもうすこしプリミティブでかつ重要であると思う食材の混ざり具合について、エントロピーという概念を導入して論じたいと思う。

目次


  1. エントロピー

  2. カレーを混ぜるか混ぜないか

  3. 舌で感じることのできる味覚の有限性

  4. 食材レイヤー、食材間のエントロピー


エントロピー

エントロピーは、色んな分野で、色んな定義があるとある。この記事では簡単に、系の乱雑さ・不規則さを表す数字だとここではする。

シュレーディンガーは、熱力学第二法則により全ての物質は高エントロピー状態に移ってしまうから、生命とは負のエントロピーを摂取することで、低エントロピー状態を保っていることを論じた。そのことからも分かる通り、食べ物とエントロピーは深い関係性がある。


カレーを混ぜるか混ぜないか


往年の話題として、カレーを混ぜるか混ぜないかという議論がある。口の中で味が広がるという点で、混ぜる派の意見と、味の変化を楽しむために混ぜない派などそれぞれの派閥に対して意見がある。どちらも賛否両論だが、これらの議論に対して、エントロピーの観点を持ち込むことで整理がつくと思う。そして、この整理をすることが、食材をどの程度組み合わせるべきかを考えるヒントになるのでは思う。


舌で感じることのできる味覚の有限性

一口や舌で感じられる味覚が有限であるが故に、エントロピーが重要である。そして、舌で感じられる部分が有限であるが故に、時系列のずれによってそれぞれの料理を識別する。

カレーを混ぜる派の観点から見たエントロピーの増加:混ぜることで具材やスパイスが均一に混ざり合い、系の状態がより乱雑になる。各具材やスパイスの位置や配列がランダム化され、系の多様性が増加する。

カレーを混ぜない派の観点から見たエントロピーの低下:各具材やスパイスは個別に存在し、系の状態はより秩序だった構造を持つ。各具材やスパイスの位置や配列が明確であり、系の多様性が減少する。

混ぜたカレーは、舌に入った段階で、均一なカレーが入り、その後も均一なカレーが入り続ける。そうすると均一であるが故に、カレー自体のまろやかさや、カレーの中のスパイスに着目される。

混ぜないカレーは、時系列を通して、カレーの部分、ごはんの部分、具材の部分がそれぞれ遅れて順番に訪れる。そのことで、カレーとごはんのが引き立ち、ご飯とカレーを比較したカレー全体の味わいに着目される。


食材レイヤー、食材間のエントロピー

クリスプサラダワークスのサラダを食べると一口に入る野菜が多様で全体として、複雑な味になるのに対し、通常のサラダは野菜それぞれの味わいを味わうことができる。

蒸したジャガイモはジャガイモの食感を歯で噛みながら味わえるが、ビジソワーズは食感よりもまろやかさや、じゃがいもの味に注目がいく。

料理人は食材のレベルで、または食材間のレベルで、どの程度有機物を細かくし、どの程度混ぜるかを考えている。そして何に注目させるかを考えることが料理にとって重要ではないか。

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