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バベルのランドスケープ月日百代過客
2025,Mixed media
Collaborator: Tomoya Ishibashi/Ryuji Yoshida

文字言語は、思考を錬成し、社会生活を成立させ、書かれたものとして記憶を集積し、人類の文明を根底で支えてきた。人類が発明した文字は、文明ごとに異なっとり、それらは複雑に分岐しながら、今日の文字となってきた。
2006年に認知科学者のチャンギージーらは、風景の中に現れる幾何学的パターンの分布とあらゆる言語の文字の中に現れるパターンの分布が一致することを示した。この研究結果は、人類が身につけた自然を観察する能力に適応するように、文字の形が収斂進化していった可能性があることを意味する。高度に発達した言語は技術発達の最もたるものであるとみなすことができるが、実はそのすべてが人類を取り巻く世界の焼き直しなのかもしれない。
世界を見るとは何か、人類に固有の技術とは何か、創造や発明とはいかなる営為なのか。本作は、独自開発したアルゴリズムにより、風景の画像から36個の幾何学パターンを抽出し、文字を形成することによって、こうした問いを投げかける。
本展は、松尾芭蕉の紀行文学『奥の細道』(元禄15年、1702)を題材に、その結びの地である岐阜県大垣市の現在の光景から、『奥の細道』が含有する漢字文字を生成することで、文字と文字を巡る時空間を行き来することを試みた。
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